『めぞん一刻』
(フジテレビ/1986年3月〜1988年3月)
作者/高橋留美子 掲載誌/『ビッグコミックスピリッツ』
1980年に小学館の月刊青年漫画雑誌として誕生した『ビッグコミックスピリッツ』(翌81年から隔週発行)。その創刊号から掲載された高橋留美子による漫画。『週刊少年サンデー』(小学館)で78年から連載されていた『うる星やつら』と並んで高橋留美子の代表作とされている。テレビアニメ化は1986年。同年、石原真理子主演で実写版映画も公開されている。
小学校の6年生のときだったと思います。ケーブルテレビの子供向けのアニメ専門チャンネルで毎日のようにやってたんです。当時音楽番組を見たがっていた姉と、いつもチャンネルのとりあいをして見てました(笑)。
子供向けのチャンネルなんだけど、これ結構大人の話なんです。主人公は音無響子さんという未亡人。「めぞん一刻」という名前のアパートの管理人をやってて……あ、アパートの名前は「一刻館」? まあそのアパートにですね、いろんなクセの強い住人がいまして、そのなかのひとり、五代裕作が響子さんに思いを寄せている。結局、このふたりの恋愛ドラマなんですね。 小学生のぼくがこのアニメのどこに惹かれたかというと、ひとえにヒロインの響子さんの描かれ方です。マジで可愛かったんですよ。ビジュアルはもちろん、性格がまたね。おおらかで、優しくて、ちょっと天然のボケが入ってて。五代がほかの女性と近づくとやきもちをやいたりもする。そんなところもまた可愛いんですよね。ちなみにこのアニメはドラマ化されてるんだけど、そっちは見ていません。響子を演じている伊東美咲が、自分がもってる響子のイメージとあまりに違うものだから。もっとね、ほんわかとしてるんですよ。
このふたりの年齢は、五代が何歳か若く設定されています。響子さんは年上、お姉さんです。その影響でしょうね。年上の女性への憧れというものが芽生えました、小学生のぼくに。
最後はちょっと泣けるんですよ。どういう流れがそこはまったく憶えてないですが、響子のお父さんを五代が背負っててですね。あれ、なんででしょうね? まあ、とにかく背負っているお父さんに五代が「娘さんを幸せにします!」と言う。そのあたりがぐっとくるんですよね。ハッピーエンドのその締めくくり方も含めて、大好きなアニメとして記憶に残っています。
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